鉈切り丸(大阪・オリックス劇場)

あっと言う間の3時間半(休憩20分有り)でした(13時開演で終わったの16時20分ぐらい)
そもそも「リチャード三世」を全く知らなくて、悪の限りを尽くす男の成り上がりからのどん底っていう知識のみでの初見でした。


以下内容に触れたような感想


なので不幸な結末決定な訳で…なんやかんや言って私も森田さんファンなので不幸な森田さんを見るのが辛かったりするんですよね(ジン以降ずっと可哀想な役しかしてないけど…)「祈りと怪物」も実は結構キツくて…(一応ケラさんのを見て行ったんだけど)「鉈切り丸」は最初から不幸エンドが分かっていたので心の準備だけは万端だったお陰かダメージ少で済みました。
森田さんのかたわ*1の演技完璧でした。背中をまるめ、足を引きずる姿が不格好で可哀想で見た目の説得力が抜群でした。醜く生まれたのは本人のせいじゃないだけに『誰かこの子を愛してやってくれ!』と話が進むにつれ強く思いました。
そもそも兄弟からも家臣からもそこそこの信頼を得ていて上手くやってたのに裏切りと天下取りへの野望を選んじゃうんですよね…兄弟でも妻でも範頼の穴は埋められない。あの穴は母親の愛情でしか埋められなかった(埋めてもらえなかったけど)
最後もっと救いの無い終わり方かと思ったけど、死体を鳶に喰わせよう的なことになってて、範頼の『羽根が欲しい(鳶になりたい)』願いが叶ったような気がして私は救われました。
あと森田さん群衆の一部としてダンスシーンがあるんですが範頼なままダンスしてて凄い!って思いました。あくまでも範頼。
生瀬さんがもう最初から最後までオイシイ役どころだった…素晴らしかった。凄い力で舞台を引っ張る人だなーと思いました。山内さんも安定の面白さで流石でした。若村麻由美さんも綺麗だわ面白いわで凄かった。なのでこの三人のシーンと範頼のシーンの落差が凄かった。
健太くんも良かったです。特に亡霊になってからの演技が。木村了さんは後半の殺陣が素晴らしかった。VS嵐のクリフクライムで見せた身軽さを思い出しました(身体能力高いんだなーと感心)
あとラストシーンでまたしても雨の演出でした。前回「雨」は体力使うって言ってたけど大丈夫なのかな…どれだけ疲れるのか分からないけどやりきって欲しい。
カーテンコールで出て来た森田さんは森田剛30%って感じでした。範頼が不幸なだけに現実の森田さんに無性に会いたくなります。役柄が役柄だけにやっぱ直ぐには抜けないみたいですが…
今日が実質2日目公演(?)でまだまだ改善されていくのかな…大阪公演は来週また観に行くのでどう変わって行くのか楽しみです。

*1:差別用語なんですが鉈切り丸に関してはこの表現で書きます。ご了承ください