『サンダーバード』ネタバレ含む

もう冒頭から違った方向に面白くて面白くて。やっぱりファンだと気が散ってしょうがない。気にせず見るというのはちょっと無理。お陰で最初の救助シーンはちゃんと見ているつもりでもちっとも頭に入らなかった。コンサートのMCでもネタにされていた「おむつ」の台詞などは「これかぁ」と笑いを堪えるのに必死。次男スコットの陽気なキャラクターは井ノ原快彦に合っていた。五男アラン役の岡田准一は確かに子供の声にしては低いけど演技の方は問題なくて上手に出来てて良かった。逆にもっと低くても良かったであろう父親ジェフ役の坂本昌行も持てる限りの渋さで好演。舞台の経験が効を奏しているように感じた。
中盤ペネロープら他の登場人物が増えた辺りから映画を楽しむ事が出来た。特にペネロープの上品なアクションシーンは必見。パーカーとのやり取りもいちいち良かった。すっかり二人の虜に。またパーカーが意外と強くて素敵だった。それにしてもティンティン(ジェフの助手キラノの娘)という名は局部の名称に似ていてそれだけで可笑しい。皆してティンティン連呼。で、このティンティン物凄い活躍ぶりでロンドンでの救助活動では自ら身体にロープを巻き海へダイブ!……って、えぇ!?ないない!凄い泳ぎっぷりで難なくクリア。しかもいつの間にか海中のマシーンにも乗り込んでるし。どっから入ったんだ。謎。更に親玉のフッドとも直接対決していて何者なんだティンティン。ちょっと突っ込み所の多い娘でした。物語的には最後敵をやっつけなかったのが良かった。ここがある意味子供向けなのかもしれないけど捕まって連行されていったのが良かった。しかもお姫様抱っこで笑いを誘う。アメリカンヒーローなら迷わず敵をけ落としそうだ。偏見か。
ラストシーン。プールサイドではしゃぐ子供達5人とそれを眺める父親にV6の姿を重ね微笑ましく見てしまう。アランをプールに突き落とす所で「落としちゃえ」という四男ゴードン(三宅健)が面白い。森田剛三宅健の役は役者が映ってない所で喋っている方が多くてそれを聞くのが楽しかった。聞き慣れた声なので雑踏の中の声でも分かる。三宅健は特徴のある声だし『どんなノイズに紛れていても』聞き逃すことは無いねと一緒に行った友人と話す。森田剛の演技は良いのと微妙なのとが織り交ざっていた。「絶好調だよ」とかいう台詞で巻き舌っぽかったのは大丈夫なんだろうか。何にせよ色んな意味で面白い映画だった。