『ひーはー』広島アステールプラザ

Piper10周年記念公演、作・演出/後藤ひろひとの舞台を観に行ってきました。面白かったー。大王(後藤ひろひと)は凄いなあ。凄い物語構成でした。アレがこうなってコレがこうなって〜(……)ストーリーはわたくし如きが説明出来る代物じゃありません。ただ面白かった!これに尽きる。
素敵ハゲの山内圭哉さんは相変わらずの面白さで暫く『もじゃきくんの歌』が仲間内で流行りそうです。
以下ちょっと内容に触れているような触れていないような感想。
完全コメディなんだけど何故か生と死が隣り合わせで、見る者にだけちょっとした緊張感が与えられると言う不思議な感覚を味わいました。何でそうなってるかって言うと、物語冒頭に後藤ひろひとが脚本家と言う肩書きのままストーリーテラーとして登場して『物語を面白くする』と言う名目で舞台のセットで飾ってあるピストルを本物とすり替え『誰が引き金を引き、誰が撃たれるのか』と言う言葉を残して引っ込むからです。
ピストルが本物という事を知っているのはストーリーテラーと観客のみ。物語は普通に進んで行くんですが、登場人物はピストルが本物だと知らないので(舞台が日本と言う事もあって本物だとは誰も思わない)色んな人が軽々しく手にして、人に向けたり持ち歩いたりします。その度に観ているこちらはドッキドキ…。ソレ本物なんだけどーとハラハラしたり、引き金を引かなかった事に安堵したり。だから舞台上の登場人物は緊張の欠片も無いのに、観客だけが物語とは関係ない所で緊張させられるって訳です。誰にも不幸になって欲しくなくて、何度となくハラハラしました。
そして『生と死』と同レベルで混在するのが『遊びと本気』。冗談で言ってる事に対して本気で受け取り、本気で言ってる事を冗談で返すと言う食い違いの応酬。聞き間違いも相まって8割以上(9割かも)が勘違いのまま物語が進みます。
あとは水野美紀さんが客演で出演してたんだけど、水野さんらしさがあって良かった(主にアクション的な動きとか)。たまに『この役別に誰でもいんじゃね?』って思う事があるけど、水野さんは良い感じでした。途中、女優なのに…と心配になる程の面白顔の演技もあったりして。
本編以外で大王の凄さを感じたのが、アンコールで腹筋善之介さんが「美味しい広島焼きのお店を教えてください」と言った事に対して「広島では''広島焼き”って言わない」と言った事。良く知ってるな〜。劇中でもその土地ならではの言葉入れるのも上手いしね(今回の広島で言うと『本通りヒルズ』)←これはネタとしても新鮮で場面もピッタリだったのが凄かった。一体どこから情報仕入れてくるんだろう。