いのうえ歌舞伎☆號『IZO』ネタバレ含む感想

16・17日の土日で大阪公演を2回見てきました。それで『IZOは3回見たら丁度良い!』という結論に達しましたよ。いや、良かった!3回見て良かった!1回目見た後の感想がアレな感じだっただけに、2回目見るとき気が重かったんです。2回目を見終わった後も『あともう1回見るのか…』とズーンとした気持ちだったんだけど、いざ3回目を見始めたらアラ不思議!何か今までと感じが違う!と。そんな訳で以下内容に触れた感想。


まずは16日(土)の感想から。席は1階の中頃中央。1ヶ月ぶり2度目の『IZO』は完全におみつ目線で見てました。1回目に見たときはまあちょっとじんわり…?程度だった涙がおみつ絡みで結構泣きました。
『兄の事は忘れてくれて良い』のシーン『一緒に生きてくれと懇願する』シーン『祝言ごっこで感激して涙する』シーン『最後満作の花が以蔵にひらひらと降り注ぐ』シーンなど。最後のシーンは『亡きおみつを思い出して』泣いた気がします(ここはある意味以蔵目線?)。
尊王攘夷』を別の四文字と間違えるところって毎回アドリブだったんですね。1回目に見たときはそんな事とはつゆ知らず…何を言ったか覚えてないんですがこの回は『昆虫採集』でした。あと龍馬に再会したとき「りょおまー」「いぞおー」ときゃいきゃい喜んでる以蔵が可愛らしかった。
次、17日(日)の三回目の感想。席は2階前方の中央でそんなに遠くない印象。見始めるまでは気が重かったけど、前半を終えて休憩中に喉が枯れて微妙に喋れないルリ王と意見交換。とにかく以蔵が(不思議な事に)可哀相に思える!と二人の意見が一致。やはり最初に見たときと比べてシーンや台詞が削られている為なのか、演出が変わったからなのか…(細かい事は分からんけど)。周りから再三勉強をするよう進められるシーンが無かった…ですよね?(記憶に自信無し)台詞一つあるか無いかで印象って変わるもんなんだなと改めて痛感。
それにしても土曜と日曜で視点がおみつから以蔵に変わったのが不思議過ぎます。2階席という席の遠さが丁度良かったんだろうか…とか思ったりもしたんだけどこれは関係無いかも。そうそう2階席で見ると全体が見渡せるのでセットの凄さが堪能出来て良かったです。あの回る舞台のお陰で場面転換がスムーズでテンポが良く感じる。これも1回目に見たとき何か詰め込み過ぎな印象だったんだけど改善されてた気がします。
先の展開を知っているからこそ泣けたっていうシーンもあります。『おみつとの祝言ごっこ』とか。『以蔵最後の幸せの瞬間』と思うと涙が出ました。中途半端に良い席だとオペラグラスが使えなかったんですけど、2階席では表情を見る為に使いました。やっぱり表情が見えると細かい演技をしてるなーと。顔が見えなくても十分伝わってるんだけど見えると尚更って感じで。例えばおみつの結婚式の日『吉虎』に訪れた以蔵が出されたご飯を食べずに去って行く所で去り際に精一杯の笑顔を見せてたり。「ほんまになんも無くなってしもた」の台詞の時の表情とか(悲しみと狂気が混じった何とも言えない表情)。
取り調べのシーンとか最後のシーンって悲しいって言うより救われてるような気がして私は好きです。語るに落ちてるけど最後まで武市を裏切らなかったし。以蔵が独り立ち出来た瞬間て感じだし。
そういや東京公演で途中声が掠れてたみたいですね。喉強いって褒めた先からそれかよ!と思ったんだけど大阪公演はちゃんと持ち直してました。あとは殺陣!東京と比べて格段に上手くなってました。1回目見たときは普通な感じだったけどキレが良くなってた。斬ってる姿も良かったけど斬った後の姿もカッコ良かったです。
この日の四文字漢字は『誠心誠意』。何か山内さんがウケてたらしい。山内さんは本当に真面目な役でしたね。オイシイ役は龍馬のみで。また山内さんと共演して欲しいなあ…今度は楽しい内容で。