人間失格

なかなか感想書けなかったんですが、先月観に行きまして。生田斗真の役者っぷりが凄かったです。ちょっと見ない内に立派な役者になっちゃって!と思ったんですが、テレビサイズでは斗真さんの真の力が見られないだけなのかもと思ったり。あの役者っぷりは昨日今日の事ではないのかもしれないけど…でも集大成って感じでした。特に凄いと思ったのが室井滋さんとの絡みのところ。それまで基本受け身だった葉蔵だけに際立ってました。感想を書く為に斗真さんの演技を思い返してるんですが、思い返せば思い返すほど、葉蔵の抱える闇みたいなのをちゃんと表現出来てたなと感じます。
そして森田さんですが、物語に集中していたときにいきなり登場したのでビックリしました。あ、そうだった、森田さん出てるんだったと。心無しか隣のお嬢さんもビクッとしてたので森田さんファンだったのかも(違うかもしれないけど、同士よ…と思いました)台詞回しがちょっと舞台っぽく、かつそれが詩的な台詞に合ってるな、と思ったシーンがありました(出会いのシーンだったか?)
後ろ頭がメインで映ってるシーンでは中也抜きで『森田さんの後ろ頭モエ』でした。私森田さんの頭好きなんですよねー(フェチ的な)あと葉蔵の回想シーンで微笑む中也さんが儚げできゅんとしました。火種を舌で受け止めるとき、舌がぷるぷる震えてたのにはちょっと笑ってしまいましたが。しかしあんなキーマンみたいな役だとは思いませんでした。要所要所で印象的に登場しててビックリしました。
映画としては食べるシーンが印象的に撮ってありました。下手したら不快に感じるような(ギリギリOKだったけど…本当ギリギリで)林檎から始まり、皆もっちゃもっちゃと…人間というか野生というか生々しく喰らってました。そんな中、葉蔵はどうでもいいような食べっぷりで本当に覇気がなく(印象も薄く)面白い演出でした。
しかしストーリーは唐突にブツ切りな印象でした。原作知らないと理解出来ない事多々あり。実は私も「人間失格」を読んだ事が無いんです。なので葉蔵の才能がいまいち伝わらなかったです。最初の絵画のシーンのみで語られるとキツい…ただその辺りを掘り下げるような映画でもないんでしょうけど。