ラブリーベイベー(大阪/シアター・ドラマシティ11/19公演)

行って来ました三宅さん舞台。三宅さん細かったです。いつもみたいにGパンじゃなく細身のパンツを履いていたからかもしれないけどエライ細く見えました。そして凶悪的に可愛かった。あれで32歳って…『無いわー』って感じです。後半のチェックのズボンの衣裳が特に似合ってて可愛かった。問題のベッドシーンでセミヌードもキラキラしてて美しかった。そして心配だったキスシーンは面白いぐらいにチュッチュしてて逆に大丈夫でした(笑)座席が遠すぎず近すぎずだったお陰もあるかもしれませんが。
演出的にはプロローグの後にスクリーンでOP映像のようなものがあって新鮮でした。まるで2時間SPのテレビドラマを見てるような感じ。ストーリー的には冒頭シーンのノリについていけず厳しいかも…と思っていたけど時系列がバラバラに進んで行くパズルのような構成だったので、ピースをはめながら見るのは楽しかったです。
良かったシーンはレンジ(三宅さん)とマナト(恋人・男)が二人きりで花火をする所。三宅さんが小悪魔全開で、アドリブかと思うぐらい素っぽくて可愛かった。マナトと線香花火でどっちが長く火が点いてるか競争するんだけど、マナトの火種をレンジが奪うというズルをするんです。それが悪戯っ子な感じで可愛かった。もう一回やろうって言って、今度はズルしないって言うんだけど、2回目は手で払って落としちゃう。『ズルしないって言ったのに』って感じでマナトがレンジを責めるんだけどレンジは超笑顔で…それを見たマナトの台詞「そんな少年のような眼で見られても……何でも許しちゃう」っていうのが面白かった。本当にもう許すしか無い可愛さだから『ですよねー』という気分に。
しかし驚いたのが三宅さんがネコじゃなくタチだった事です(受けじゃなく攻めだったと言った方が分かり易いのかな)。ビジュアルと相手役とのバランスからして私てっきり三宅さんの方がネコだとばかり思ってたので。そしてキャストだけ見て女性を挟んだ三角関係だと思ってました。聖ちゃんの役柄がまさかマナトと同一人物だとは思わなかったので。そんな訳でラブリーなベイベーは三宅さんの事では無かったです。
ストーリー的にはちょっと厳しいところがありました。演技どうこうじゃなく、腑に落ちない所が色々あって…演出(構成)に助けられてて見ている最中はまあ何とか良かったんですが終盤に行くにつれ「ん?」っていうのがあって、そのまま終わってしまってモヤモヤ感が残りました。特にレンジ&マナト以外のカップルの話が。以下ちょっと厳しい感想に入ります。



役名を忘れてしまったんだけど伊達くん&清原似の人(すみませんが以下清原で)のカップルは、清原が浮気をしたとき浮気相手に伊達くんとの事を別れても良い、むしろ別れたいって感じで伝えていたので最後の修羅場で伊達くんに全力で縋るのがピンときませんでした。え?そんなに本気だった?みたいな。だったら浮気のシーンはもっとちゃんと遊びっぽくして浮気性なカレってのを全面に出した方が良かったと思う(変な脚色付けずに)
なので最後の最後清原が『他の男とセックス出来なくても良いと思ってる』って感じの事を言ったのは突拍子も無く感じました。信じてもらう為に生殖器切っちゃう(あれは切ったって事で良いのか傷つけただけなのか分からないけど)のもどうかと。何の解決にもなってないというか、不毛な行為と言うか…あれじゃ恋人を引き止めるカードにならないと思うんですが…(気持ちが無いっつってんのにあんな事されちゃドン引きじゃないっすか)頼んでもないのにそんな事勝手にされても困るだけです。万が一ヨリが戻ったとして、伊達くんがやりたいのにやれないんじゃ、頼んでねえって感じじゃないですか。
生殖器を切るシーンをやりたいんなら伊達くんが切る、もしくは伊達くんが『証拠を見せてくれ』と言って、自ら切るよう要求するんならまだ納得出来るんだけど。ただこれだとヨリを戻すの前提ですが。
新恋人を別荘に呼んでたのも何かしっくり来なかったですね。勝手に来て連れ帰ろうとするとか、事前に別れ話をしていて「好きな人が出来た」「嘘付け」「この人です」とかならまだ分かるんだけど。
一方、女性同士のカップルもハルカのどこが良いのか分からなくてキツかったです。恋人を信じられない嫉妬深いウザイ女の子にしか見えなくて…カスミはよく付き合ってんなーと。可愛いんだけど性格的に良い所が見えなかったので、キョウコもハルカのどこが好きなのか分からなかった。そしてキョウコが何故あの会に自然に参加出来ているのかも謎だった。何か不自然な立ち位置でした。無理矢理誘われて来ちゃったノーマルな人…でも実はハルカの事が好きでした、っていうんなら分かるんだけど。
携帯電話の暗証番号を解いたシーンも、う〜ん…て感じでした。自分の誕生日はまず2番目ぐらいに試すもんだろうと。試して違ったら嫌だから試してないんなら納得ですが。ただそれだとキョウコが暗証番号を解くっていうくだりが出来ないけど。
カスミが本人にその気はなくても浮気性っぽく見えるんならともかく、そういう風に見えなかったからハルカの嫉妬が鬱陶しかったです。むしろキョウコとカスミがもっと仲が良くて、カスミの悩みをキョウコが聞いてあげてて、それをハルカが勘違いして、キョウコもカスミの手前ハルカへの気持ちも誰にも言えずレンジに打ち明け、上手い具合に隠していたつもりがレンジにはバレてて…とかなら『キョウコ切ない』って思えたかもしれない。レンジにバレてるのにハルカどころかカスミにもバレてないってのは…ありかもしれないけど、だったらカスミとキョウコで駆け引きとか牽制ぐらいあっても良かったような…。
結局性転換後のマナトと仲間とのシーンはまるまる妄想(小説)って事なんだけど、小説と現実の区別が分かり辛いところがありました。今思えばレンジの居ないシーンは全部現実の事柄なんだけど。
観客がマナトの死を知る前にマナトが居ない現実のシーンを伏線として絡めたら面白かったのに、と思いました。仲間と居るシーンで机に向かう(小説を書く)シーンがあるとか。
まず設定ありきで、何故その人物がそう思うのか、何故そんな行動に出るのか説得力に欠けてて誰にも感情移入出来なかった気がします。ただレンジの独白・号泣シーンにはうるっと来ました。